2種類の豆を
2つの淹れ方で抽出
ヤマとカワ珈琲店では、厳選した8種類の豆と、季節や月毎に提案するオリジナルブレンドを、一番美味しいと思う焙煎度でご提供しています。また、単に豆を販売するだけでなく、コーヒーを楽しむ「ひととき」を日々の暮らしの中で楽しんでいただけるよう、コーヒーの淹れ方や手法なども提案しています。今回も、蕎麦朧とコーヒーを楽しむ素敵なひとときを想像しながら、自分なりにベストなコーヒーを選んでみました。
悩んだ上でチョイスしたのが、オーガニックのペルー産コーヒー豆と、ブラジル産の豆。この2つを、それぞれの特徴を引き出す淹れ方で楽しんでみます。
ペルー産はマイルドなコクと飲みやすさが特徴ですが、味が力強く余韻が長く続くため、飲みやすいのに満足感のあるコーヒーです。このペルーを若干浅めの中深煎りで焙煎し、ハリオのドリッパーで淹れていきます。これは、お湯が粉に触れている時間を短くして、すっきりと仕上げるため。といってもお湯はゆっくり均一に、置くように細く注ぐと美味しく淹れられます。心に余裕を持って、淹れる時間を楽しんでほしいですね。
一方のブラジルは、コーヒーの生産国として歴史も古く、生産量も世界一。栽培技術も高く、美味しさを追求したコーヒーだと思います。じっくりと中深煎りしたブラジルを、ネルドリップで淹れていきます。紙のフィルターよりも目が粗いためコーヒーのオイル成分も落ちるので、よりコクが強く出る淹れ方です。また落ち方もゆっくりなので、苦みもしっかり感じられます。
コーヒーの奥深さを知った
テイスティング
2種類の方法で淹れた2種類のコーヒー。どちらも非常に美味しいコーヒーなのですが、蕎麦朧と合わせてみたら、まったく違う余韻を感じることができました。
ペルーの方は、優しく蕎麦朧の上品な甘さをほどいていくような、同化するような余韻を感じました。喉を通った後も、蕎麦朧の美味しさが口の中に残る、蕎麦朧の良さを引き立ててくれるような優しい味わいでした。
ブラジルは、オイル感が蕎麦朧と混じり合って、ナッツのような風味を感じます。最後はブラジルのコクと旨みで、スッと終わるイメージ。ペル―とは逆で、蕎麦朧がブラジルの良さを引き立ててくれています。
蕎麦朧という同じお菓子なのに、コーヒーの違いによってこんなにも感じる味わいが違うことに、本当に驚かされました。コーヒーの奥深さをまたひとつ、知ったような気がします。蕎麦朧を引き立てるのか、コーヒーを引き立てるのか、その時の心持ちで、合わせたいコーヒーは変わってきそうです。