旬彩菓たむらの新たな企画として始めた「どら・セッション」。いったいどんな人たちから、どんなアイデアが飛び出してくるのか、ドキドキしながら第1回目のセッションに臨みましたが、フレッシュな社会人1年生の3人と、楽しい時間を共有することができました(6月号掲載/Webにて閲覧可能)。普段、あまり和菓子にふれることのない世代ならではの視点は面白く、創作意欲を掻きたてられました。
セッションから生まれたアイデアをもとに、どらやきを半分に切って断面を見せる方向で検討を開始。3種セット(1個半)の味は、たむら特製の餡を活かした「アンバタ」、信州の代表的な果実である「杏」、若い世代に人気の「抹茶」に決めました。3種のどらやきの断面をどのように見せれば、若い世代にも受け入れられる「どらやき」になるのか、彩りを考えながら進めていきました。
皮は通常のどらやきと同じく、長野県産小麦と飯山みゆき卵、松代の蜂蜜にオブセ牛乳を合わせ、丁寧に焼き上げています。基本となる皮は変えずに、中の餡にバリエーションを加えることで、「新しい見せ方」を追求しました。
あんずの里の
杏をたっぷり
「杏」は、白餡をベースに無糖の生クリームと刻んだセミドライの杏を混ぜた「杏クリーム餡」を挟みました。杏は、あんずの里のものを使用。白餡に含まれる砂糖の甘さのみで仕上げているため、杏の酸味が活きた、さっぱりとした美味しさに仕上がっています。彩りとしてのせたセミドライの杏で食感にアクセントをつけました。
和を楽しむ
ふわふわの抹茶
「抹茶」は、職人が3日間かけて丁寧に炊いたかのこ豆に、生クリームと国産抹茶を合わせた「抹茶クリーム餡」です。クリームをかく拌する際に、かのこ豆がほどよく潰れることで、抹茶の香りとともに豆の風味が感じられる和のクリーム餡に仕上げました。ふわふわっとした軽い口あたりが特徴。アクセントにかのこ豆をトッピングして、さらに和のイメージを強調しました。
白と黒の
2トーンが美しい
「アンバタ」は、たむら特製のどらやき用の餡に、カルピスバターを合わせた、白と黒の断面が美しいどらやきです。どらやき専用に炊き上げた餡は、皮と餡を一緒に口に入れた時のバランスを考え、通常のつぶ餡よりも豆を壊さないように仕上げています。カルピスバターは空気を含ませて軽くし、餡と合わせて口に入れた時にくどさが出ないよう調整。皮と餡とバターの調和を計算した、たむら究極のアンバタです。
彩りが美しい
3個セット
白と黒の「アンバタ」に、オレンジが鮮やかな「杏」、美しいグリーンの「抹茶」。それぞれを半分にして断面の美しさが楽しめる3個セット(1個半)のどらやきが完成しました。選ぶ楽しさ、味わう楽しさを感じていただける一品になったと思います。
商品名は「どらにしようかな」に決定。ご家族やご友人と一緒に、会話が弾む楽しむひとときを彩る一品になれば幸いです。