• 地域の新たな
    コミュニティとして
    「まちかど図書館ぼたん」を
    多くの方に愛してほしい。

      • 長野県立大学 グローバルマネジメント学部
        グローバルマネジメント学科

        千野 祐里奈

        Yurina Chino

      • 長野県立大学
      • 長野市三輪8-49-7
      • 026-217-2240
      • オープン時間やイベント情報などはホームページをチェック!
        棚のオーナー募集中!
        ボタンの販売もしています
      • https://machinakabotan.com/www.machinakabotan.com/

地域に、人に
貢献できる自分になりたい。

 長野県立大学への進学を決めたのは、将来、自分の出身地である長野県や、生まれ育った地元である塩尻市で、地域やそこに暮らす人に貢献できる仕事に就きたいと考えたからです。長野県立大学のグローバルマネジメント学部には公共経営コースがあり、行政に関する知識や地域課題について学ぶことができます。また海外プログラムも充実していて、グローバルな視野を広げることができるのも魅力でした。入学後は寮に入り、そこで出会った同期や先輩たちからも刺激を受けましたね。みんな積極的で、行動力があって輝いていて。「自分も何かしたい。動かなきゃ!」という気持ちにさせてくれました。
 長野県立大学では2年次に進級する際に、自分が学びたい分野のゼミを選択します。3年間ゼミに所属して学ぶのは、他大学ではあまりないことだと思いますが、自分が学びたいことにじっくりと取り組むことができるのはありがたいと思います。20もの多様なゼミがあり、どこも魅力的でしたが、私は地域社会学を基礎に地域の人との関わりやフィールドワークが多い「築山秀夫ゼミ」に入ることを決めました。そこで出会ったのが、「まちかど図書館ぼたん」プロジェクトです。
 このプロジェクトは、長野市の中心市街地活性化や、増え続ける空き家問題に対して何かできることはないかという問いから始まりました。先輩方が思案、検討していく中で「一箱本棚オーナー制度の図書館」という仕組みやアイデアに興味を持ち、「自分たちも挑戦してみよう」と、取り組みがスタートしました。

地域の新たな拠点として
「ぼたん」を愛してほしい。

 今、「まちかど図書館ぼたん」があるのは、中央通りから1本西側の通り、北石堂町です。元は「ボタンのいとう」というボタン屋さんで、地域の方に長く愛されたお店でした。店舗となる空き家を探していた時に、店主の娘さんである現大家さんと出会ったことで、この場所が新たな地域の拠点となりました。
 オープンまではさまざまな壁があり、悩んだことも多かったですね。「ボタンのいとう」というお店が歩んできた背景を大切にしながら、自分たちが思い描く図書館にしていくために、みんなで試行錯誤しました。TMO「まちづくり長野」さんと共創し、本棚は、大学の公募型理事長裁量経費事業に採択されて補助をいただき、大工さんに指導を受けながら自分たちで作り上げました。本当にオープンできるのだろうかと先が見えなくなることもありましたが、力を合わせて取り組むことで、昨年9月にグランドオープンを迎えることができました。オープン初日は私が店番だったのですが、チラシや新聞を見た方たちがたくさん訪れ、私たちの取り組みに興味を持ってくださって、本当に嬉しかったですね。
 「まちかど図書館ぼたん」のコンセプトは、「本を介して人と人がつながる」です。希望する方が棚のオーナーとなって自分の好きな本を置き、会員はその本を借りることができます。私たちは、単に本を貸す、借りるだけではなく、この場所が地域のコミュニティの核になってほしいと願っています。そのために、もっと多くの方に「ぼたん」を知っていただけるよう、棚のオーナーさんが参加するイベントを開催したり、広報紙「ぼたんだより」の発行も始めました。「まちかど図書館ぼたん」はまだ始まったばかり。これからもっともっと、さまざまなアイデアで面白くなっていくと思います。ぜひ期待していただき、「ぼたん」に遊びにきてください。

(2025年3月号掲載)