もっとダイレクトに
地域の人とつながりたい。
祖父が創業した紙の卸問屋、「水島紙店」の4代目として生まれ育ちました。ダイナミックに変化する平成の時代に社長として業界を俯瞰する中で、紙のプロである自分たちだからこそできることがあるはずだと、平成30(2018)年に、紙袋をブランディングする「手提屋」を始動。卸業から、ダイレクトにお客様へ提案する事業へと、新たな一歩を踏み出しました。
紙袋はお店や会社の顔であり、ブランドを象徴するものです。そこにこだわることで、訪れる人、地域との関わりがちょっと良くなっていく。そんな素敵な後押しをしたいという思いで事業を推進する中、今まで関わったことのない方たちとつながることで、自分の中に、もっと地域の人たちが自由に交流できる「場」を作れないだろうかという思いが強くなっていきました。
そこで思い切って経済産業省の事業再構築補助金を申請し、令和4(2022)年6月に採択。本社をリノベーションすることで、昨年3月にコワーキングスペース&シェアオフィスをオープンさせました。
地域の人が交流する中で
新たな動きが生まれる場所に
オープンしたコワーキングスペース&シェアオフィスの名は「TERMINAL51°」。「ターミナルゴーイチ」と呼びます。リノベーションする際の「ここはまるで小さな飛行場のようだ」という一言が決め手となりました。紙の倉庫が格納庫、本社が管制塔、間を通る私道を滑走路に見立て、ここに集まる人たちが、自分のやりたいこと、夢に向かって進んでいく経由地でありたい。人生という旅の中で、未来へ飛び立つための、人と人とが行き交う拠点でありたい、という思いを込めています。
オープンして約1年半。今、TERMINAL51°には、さまざまな人が訪れ、互いに刺激を受けながら新たな挑戦を始めています。私自身も大きく影響を受け、今年の4月から社会構想大学院大学の学生となり、社会構想研究科で学び始めました。今後はTERMINAL51°を拠点として、社会的課題を解決するためのソーシャルビジネスの事業化など、コワーキングにおけるコミュニティやネットワークから、新たな展開を生み出せればと考えています。
「旬彩菓たむら」さんとは、「手提屋」としてお店の紙袋を制作させていただいたご縁で知り合いました。いろいろとお話をさせていただく中で、たむらさんのお菓子作りへの姿勢や地産地消へのこだわり、地域に愛される店の在り方など、本当に勉強になることばかりで、地域にこういう人がいるんだと心強くなりました。「蕎麦朧」は、ひと口で食べられるサイズ感と、ホロホロとしたくちどけ、ふわりと香る蕎麦の風味がいいですね。実は私もコーヒーにはこだわっていて、TERMINAL51°のオリジナルコーヒーを作ったんです。「蕎麦朧」との相性も抜群なので、今度たむらさんにご馳走しなければと思っています。