• 暮らしに密着した取り組みから
    グローバルな視点まで
    サステナブルな社会のために
    ホクトができることを。

    • ホクト株式会社
      広報・IR室 室長
      前田 哲志さん

      経営企画課 係長
      佐藤 千穂さん



 2015年の国連サミットで「SDGs」が採択され、2030年までに達成すべき世界共通の目標が示されてから、来年で10年。私たちは、持続可能な社会へと舵を切れているのでしょうか。
 このシリーズでは、さまざまな課題解決のために、長野の企業や団体がどんな取り組みを始めているのかをご紹介します。今回は、ホクト株式会社の広報・IR室長の前田哲志さん、経営企画課係長の佐藤千穂さんにお話を伺いました。

国内最大手の
きのこ総合企業グループとして。

 今年、創業60周年を迎えたホクト株式会社は、きのこの研究・開発から、生産、販売までのすべてを一貫体制で行い、安全・安心でおいしいきのこを皆さまの食卓へお届けしています。
 現在、ホクトで栽培しているきのこは全部で6種類。全国、さらには世界のきのこセンターで、「ブナシメジ」「ブナピー」「マイタケ」「エリンギ」「霜降りひらたけ」「一番採り生どんこ」を毎日育てています。おいしいきのこを通して、人に笑顔と健康を。そして環境にも優しい企業でありたいと、ホクトはさまざまな取り組みを行っています。
 そのひとつが、きのこの包装です。きのこ栽培を始めた当初はトレー包装で出荷していましたが、包装資材の技術開発を進め、脱プラスチックへの取り組みを展開。平成11(1999)年3月にブナシメジをフィルムで包み込むピロー包装に切り替え、その後も次々と包装を変更しています。最近では令和2(2020)年に、霜降りひらたけをピロー包装に切り替えることで、プラスチック量を約60%低減させることができました。フィルムはダイオキシンが出ないポリプロピレンを使用することで、環境へも配慮。家庭でのプラスチックゴミが減ることで、CO2の排出量も減らすことができます。

循環型社会を目指して
グローバルな視点で取り組む。

 きのこを栽培するために必要な「培地」は、トウモロコシの芯や米ぬか、ふすまなど、植物由来の原料のみでできています。また栽培過程でも、農薬は一切使われていません。だからホクトのきのこは、洗わなくても大丈夫。無農薬で安全・安心なきのこを食事に取り入れることで、健康な毎日を過ごしていただきたいと願っています。
 また、収穫した後の「培地」は廃棄されるのではなく、さまざまな方法で活用され、循環型社会を支えています。植物由来である「培地」は有機JAS資材に認証・登録されており、農業用の肥料として多くの農家さんにご利用いただいています。最近は有機農産物の栽培が推進されるようになってきており、例えば長野県では、「信州の環境にやさしい農産物認定制度」などの取り組みも実施されています。ホクトの「培地」が、その一助となれば嬉しいですね。また、家畜用の飼料としてもご利用いただいています。
 さらに「培地」はバイオマスの燃料として、近年注目されています。ホクトでは、三重県の「パワーエイド三重シン・バイオマス松阪発電所」に使用済みの「培地」を提供し、発電した電力を購入、活用するプロジェクトを進めています。来年には稼働する予定で、これにより三重県にあるきのこセンターのCO2を、年間約5、700t削減することができるようになります。きのこを10t栽培すると、約20tの「培地」が出るため、燃料を安定的に供給できる「培地」は、次世代燃料として非常に期待されています。
 またホクトでは、全国各地に点在するきのこセンターにも太陽光パネルを設置し、従来よりも約20%のCO2削減を実現。ほかにも、工場見学や食育の推進、地域スポーツ・文化への支援やがん征圧活動への参画など、さまざまな活動を展開しています。これからも、暮らしに寄り添う小さなことからグローバルな取り組みまで、多角的な視点でホクトができるサステナブルな活動を継続していきたいと考えています。

お問い合わせ

  • 〒381-8533 長野市南堀138-1
    TEL.026-243-3111 FAX.026-243-3118

(2024年11月号掲載)