現在、山翠舎は大町市に古木専門の倉庫を構え、常時5千本以上の「古木」を管理しています。ありがたいことに年々規模が拡大しているプロジェクトですが、そこから新たに見えてきたのが、空き家問題や過疎化、まちづくりなどの地域課題でした。
「古木」が出るということは、家が壊されるということです。その地域に住む人がいなくなると、生態系が壊れるかのように、まちが機能しなくなっていく。また逆に、先祖代々続く家を、誰も住まないからといって簡単に売ることはできない心情もわかります。これらの課題を解決するためには、更にもう一歩、踏み込まないといけない。議論しているだけではダメなんです。みんなが納得でき、メリットがある方法を模索し、自ら行動に移さなければいけない。
山翠舎では新たに、当社が古民家を借りて改築やリノベーションを行い、古民家に新たな価値を付加した上で、その古民家でまちの賑わいを創出したいという意欲のある人をマッチングさせるというプロジェクトが動き出しています。家賃を売上変動制にすることで、単なる貸主・借主という関係ではない、共にまちを盛り上げる仲間として、自らもリスクを負って取り組んでいます。もし今、家のことで悩んでいらっしゃる方がいれば、ご相談いただきたいと思います。単に壊す、売る、貸すだけではない、新たな提案をさせていただけると思います。
東町に新たな拠点としてオープンさせた「FEAT.space」もそのひとつ。私はこのエリア全体を、大人が集い、愉しめるまちにしたいと考えています。例えばスペインの「サンセバスチャン」のような、歴史ある街並みに美食のバルが立ち並ぶようなイメージ。善光寺の門前が醸し出す雰囲気の中、大人が集い、そぞろ歩くまちはとても魅力的だと思います。「FEAT.space」を核にエリア全体のイメージを膨らませ、多くの人とのご縁をいただきながら、まちの在り方を模索し、創造していきたいと思います。「FEAT.space」では、農家さんによる出荷できない不揃いの野菜を「お福分け野菜」として提供する朝市を開く構想もあります。挑戦者である山翠舎の新たな展開にご期待ください。