蕎麦朧を夏らしく
アイスコーヒーで楽しむ
ジオグラフィーは、2018年の6月1日にオープンし、今年5周年を迎えることができました。常時12種類ほどの豆を取り揃え、豆の種類や特徴だけでなく、その国の気候や風土、文化なども合わせて伝えることで、もっと広く、深く、コーヒーの世界を楽しんでいただきたいと思っています。
今回は夏らしく、あえて蕎麦朧に合うアイスコーヒーという視点で選んでみました。ホットコーヒーとはまた違った美味しさ、楽しさを引き出せることができればと思います。
さまざまな国の豆を試した中で、最終的に選んだのが、「パプアニューギニア キガバー農園」、「タンザニア ロンボ ムウィカ組合」、「メキシコ チアパス カフェインレス(デカフェ)」の3種です。いずれもスペシャルティコーヒーで、エリアや農園、栽培方法までしっかりと管理、把握できる豆だけを仕入れています。「パプアニューギニア」は中深煎り、「タンザニア」と「メキシコ」は浅めの深煎りで焙煎しました。いずれも、蕎麦朧のコクのある甘味を意識し、蕎麦朧の風味を引きたてながらも、それぞれにしっかりと美味しさを感じられるような豆をセレクトしたつもりです。
アイスコーヒーの美味しさを
この機会に試してほしい
アイスコーヒーを作る際は、通常よりも濃い濃度で抽出し、氷を入れて完成させた時にちょうど良いバランスになるよう心掛けています。淹れ方もありますが、ホットよりもアイスのほうが、あっさり、すっきりした印象になると思います。
中深煎りの「パプアニューギニア」は、甘味とほのかな苦みのバランスが良く、森のような香りが感じられました。すっきりとした爽やかな飲み口で、暑い夏の日にゴクゴクと飲みたくなるようなアイスコーヒーです。蕎麦朧のそばの風味を楽しめ、相性が良いと感じました。深煎りの「タンザニア」は、華やかな香りとテイストで、苦みが少なく優しい味わいを楽しめます。ゴクゴク飲むというよりは、ゆっくり味わいたくなるようなアイスコーヒーで、蕎麦朧に使用されているカルピスバターを引き立ててくれました。同じく深煎りの「メキシコ」は、コクのある黒糖のような香味で、97%カフェインを除去したデカフェですが味は良く、カフェインが苦手な方におすすめです。コーヒーと和三盆の甘さが調和し、その余韻も楽しめます。
いずれも美味しかったのですが、中でも私が一番おすすめしたいと思ったのは「タンザニア」でした。華やかな香りと優しい味わいが、夏の午後にゆったりとくつろぐコーヒータイムにおすすめです。この夏はぜひ、一味違うアイスコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。