長野駅から長野市道東口通り線を東へと進み、東通りを過ぎた次の信号、「七瀬南部東」を斜め右に曲がると、右手に見えてくるのがコーヒー豆自家焙煎店ジオグラフィーです。南部ビル1階の、向かって一番右にお店があり、道路を挟んで建つ老舗洋菓子店「モンドール」が目印。この夏、オープン5周年を迎えたジオグラフィーの店主であり、焙煎士である諸英樹さんに、蕎麦朧に合うコーヒーを選んでいただきました。

〈蕎麦朧とは〉

旬彩菓たむらを代表する和菓子である蕎麦朧は、戸隠・信濃町産の最上級蕎麦粉、県産小麦、和三盆、カルピスバター等を用い、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げた、たむらオリジナルの和菓子です。

蕎麦朧を夏らしく
アイスコーヒーで楽しむ
 ジオグラフィーは、2018年の6月1日にオープンし、今年5周年を迎えることができました。常時12種類ほどの豆を取り揃え、豆の種類や特徴だけでなく、その国の気候や風土、文化なども合わせて伝えることで、もっと広く、深く、コーヒーの世界を楽しんでいただきたいと思っています。
 今回は夏らしく、あえて蕎麦朧に合うアイスコーヒーという視点で選んでみました。ホットコーヒーとはまた違った美味しさ、楽しさを引き出せることができればと思います。
 さまざまな国の豆を試した中で、最終的に選んだのが、「パプアニューギニア キガバー農園」、「タンザニア ロンボ ムウィカ組合」、「メキシコ チアパス カフェインレス(デカフェ)」の3種です。いずれもスペシャルティコーヒーで、エリアや農園、栽培方法までしっかりと管理、把握できる豆だけを仕入れています。「パプアニューギニア」は中深煎り、「タンザニア」と「メキシコ」は浅めの深煎りで焙煎しました。いずれも、蕎麦朧のコクのある甘味を意識し、蕎麦朧の風味を引きたてながらも、それぞれにしっかりと美味しさを感じられるような豆をセレクトしたつもりです。

アイスコーヒーの美味しさを
この機会に試してほしい
 アイスコーヒーを作る際は、通常よりも濃い濃度で抽出し、氷を入れて完成させた時にちょうど良いバランスになるよう心掛けています。淹れ方もありますが、ホットよりもアイスのほうが、あっさり、すっきりした印象になると思います。
 中深煎りの「パプアニューギニア」は、甘味とほのかな苦みのバランスが良く、森のような香りが感じられました。すっきりとした爽やかな飲み口で、暑い夏の日にゴクゴクと飲みたくなるようなアイスコーヒーです。蕎麦朧のそばの風味を楽しめ、相性が良いと感じました。深煎りの「タンザニア」は、華やかな香りとテイストで、苦みが少なく優しい味わいを楽しめます。ゴクゴク飲むというよりは、ゆっくり味わいたくなるようなアイスコーヒーで、蕎麦朧に使用されているカルピスバターを引き立ててくれました。同じく深煎りの「メキシコ」は、コクのある黒糖のような香味で、97%カフェインを除去したデカフェですが味は良く、カフェインが苦手な方におすすめです。コーヒーと和三盆の甘さが調和し、その余韻も楽しめます。
 いずれも美味しかったのですが、中でも私が一番おすすめしたいと思ったのは「タンザニア」でした。華やかな香りと優しい味わいが、夏の午後にゆったりとくつろぐコーヒータイムにおすすめです。この夏はぜひ、一味違うアイスコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。



  • 本店
  • 住所/長野市伊勢宮1-18-14
  • TEL/026-228-9235
  • 営業時間/9:00~18:00
  • 定休日/月曜日
  • 駐車場/8台
  • ながの東急店
  • 住所/長野市南千歳1-1-1ながの東急百貨店 地下1F
  • TEL/026-226-8181(ながの東急代表)
  • 営業時間/10:00~19:00
  • 定休日/ながの東急百貨店に準ずる
  • 駐車場/ながの東急百貨店駐車場をご利用ください。
  • http://www.shunsaikatamura.com/


(2023年8月号掲載)