3種類のコーヒーと
カフェラテで
蕎麦朧を楽しんでみる
コーヒーの面白さや奥深さに魅せられて、気がついたら12年以上、焙煎の世界で過ごしてきました。コーヒーの美味しさは、原料が7割、焙煎が2割、抽出が1割といわれています。良い豆を目利きし、小手先の技術や思い込みを捨てて、その素材の持つ「良さ」を引き出すことだけに注力して焙煎。挽きたての豆で、1杯ずつ丁寧に淹れることを大切にしています。
今回は、KOSELIG COFFEEのオリジナルブレンド、「春の中煎りブレンド 春日和」と、「ホンジュラス エル・ブエンテの中煎り」、「コロンビア ロス・ノガレスの深煎り」の3種のコーヒーに、番外編として「コーシェリコーヒーブレンド」を使ったカフェラテを加え、4種でテイスティングしてみました。
「春の中煎りブレンド 春日和」は、グアテマラとブラジルをベースに、ケニアとホンジュラスを合わせたブレンドです。春の穏やかな心地よい日をイメージした中煎りで、明るいオレンジのような酸味と甘みを感じます。「ホンジュラス エル・ブエンテの中煎り」は、ラズベリーのようなフルーツを思わせる酸味と、質感の良い飲み口が特徴で、旨味がスッと舌を通っていきます。「コロンビア ロス・ノガレスの深煎り」は、ブラックベリーやダークチョコレートのような味わいで、ほのかな酸味と苦みのバランスが良いコーヒーです。
コーヒーもお菓子も
素材の良さが決め手となる
コーヒーは3種類ともフレンチプレスという抽出器具で淹れています。フレンチプレスはフィルターが金属なので、油分も濾すことなく抽出され、コーヒー本来の旨さを余すところなく味わえるのでおすすめです。
当初の予想では、深煎りの方が合うのではないかと思っていたのですが、相乗効果でお互いの良さを一番引き立て合っていると感じたのが、中煎りのブレンド「春日和」でした。ふんわりと淡い印象だった「春日和」が、蕎麦朧と合わせることで輪郭がくっきりと浮かび上がってきたんです。これまでもいろいろなお菓子とコーヒーを合わせてきましたが、ここまで劇的に変わる経験は初めてでした。最初はコーヒーの味わいが強く出て、あとから蕎麦朧の蕎麦の香りが鼻の奥のほうへ、ふっと抜けていきます。お互いが高め合うような印象は、蕎麦朧に使用されている素材の良さが影響しているように思います。お菓子もコーヒーも、やはり素材が命なのだと再認識することができました。非常に美味しく、楽しいマリアージュでした。
ちなみにカフェラテは蕎麦とミルクの相性が良く、まるで蕎麦ラテを飲んでいるような、優しい美味しさに出会えます。コーヒーの酸味や苦みが苦手な方は、こちらの方が楽しめるかもしれませんね