• 衛星データを活用することで
    一体なにができるのか。
    そんな好奇心の最初の一歩を
    ここから始めたい。




      • 株式会社羽生田鉄工所 技術部 技術開発課 課長

        松井 直人

        Naohito Matsui

まずはやってみよう、
の精神でプロジェクトに参画。

 自然豊かな山ノ内町育ち。スキーブームの只中で、週末ともなれば町中がスキーヤーで賑わっていましたね。子どもは皆、冬はスキー場が遊び場でした。
 高校卒業後はアメリカへ留学。「とりあえず行ってみる、やってみる。やらないよりやった方がいい」の精神は、アメリカで得た人生の指針になっていると思います。また、日本を飛び出したことで知ったのは、日本のモノ作りの力。世界でジャパンブランドが評価されていることが誇らしかったですし、自分もモノ作りに関わりたいと思うようになりました。
 帰国後、いくつかのキャリアを経て、縁あって羽生田鉄工所にお世話になることになりました。最初に関わったのは、中国の現地法人の立ち上げです。現地との調整は大変でしたが、良い経験になったと思います。その後、社長から「衛星データを活用するプロジェクトを立ち上げるから一緒にやろう」と声を掛けられ、衛星のイロハも知らないまま、「まあ、やってみよう」の精神で、プロジェクトに参画することになりました。

衛星データの可能性を
もっと多くの人に知ってほしい。

 2019年に立ち上げたプロジェクトでは、内閣府の支援を得て、「衛星データを活用した、ワイン用ぶどうの栽培システム」という農業支援を行いました。初めての試みでしたが、衛星データの可能性を感じることができた瞬間だったと思います。
 その後、長野高専との防災・減災・水害等への取組みや、衛星データを活用した農地の耕作状況把握などを展開し、プロジェクトを通してつながった衛星関連企業のソリューションを紹介する「リモセンマート」を開設。衛星データをビジネスに活用するためのベースを築きました。
 そして今年、長野市のバックアップで「2022年度NAGANOスマートシティコミッション(NASC)実証プロジェクト」をスタートさせ、そのプロジェクトのひとつとして、R︲DEPOTの3階に、「DX寺子屋」をオープンしました。
 「DX寺子屋」は、衛星や衛星データの活用を広く知ってもらうことで、衛星データに興味・関心を持つ人の裾野を広げるためのオープン拠点です。まずは触れて、体験してもらうことで、「おもしろい」「何がわかるんだろう」「こんな使い方ができるんじゃないか」など、新しい発想が生まれるかもしれません。そしてそれが、私たちの暮らしを豊かにしたり、社会の課題解決の一歩につながるかもしれないのです。
 現在「DX寺子屋」では、《体験》・《教育》・《開発》を軸として、企業との協業はもちろん、学生さんや一般の方々にも気軽に参加していただける体験プログラムを展開しています。例えば紅葉の状況を衛星データで分析して、自分が見に行ってみたい場所の状況を確認するなんてこともできるんです。観光関連の方と連携して、「長野で楽しむ衛星データチェック&紅葉観光プラン」など、一味違った観光を提案できれば楽しいですね。
 オープン拠点をR︲DEPOTにしたのも、多くの人に気軽に体験してほしいと思ったからです。衛星データなんて難しそうと思わずに、衛星の視点から見た長野市を一度見てみませんか。お問い合わせはホームページより受け付けています。ぜひ一度、体験しに来てください。

(2023年1月号掲載)