長野との関係は、子育てのために長野に移住していた弟が、「そろそろ独立しようかと思う」と言ったひとことがきっかけなんです。弟もIT系の人間でしたし、たまたまもう一人、グラフィックデザイナーの友人も独立を考えていて、「じゃあ3人でやろうか」と。弟が長野で暮らしていなければ、今のシソーラスは存在していないのかと思うと、縁とは不思議なものだと感じますね。
3人で始めた当初は、それぞれがエキスパートとして個別に仕事を受けていたのですが、そのうちに自然とチームの強みが活きはじめました。例えば企業の基幹システムを構築する場合、情報セキュリティーの知識は欠かせませんし、システムを使う人の立場で、わかりやすい画面、間違えない配置を考える際、デザインの視点が重要です。さらに優れた基幹システムの開発には、業務フローの整理が必須であり、そこには組織マネジメントや企業ブランディング、広報といった部分も重なってきます。3人がそれぞれの知識を出し合って情報を共有することで、クライアントの環境を整え、多面的にサポートできるのが、シソーラスの強みになっています。
中央通りの路面に事務所を構えたのは2019年のことです。この頃からエンジニアを採用すると同時に、プラットフォーム開発をはじめとする多面的な事業展開も視野に入れて動きだしました。現在、社員は21名。自分自身がさまざまな人との出会いやご縁から新しい仕事やプロジェクトに関わってきたので、社員にも、もっと地域と関わって、偶発的な出会いから生まれるものを感じ取って欲しいと思います。そういう意味では、善光寺門前は、面白い人が集まる非常に良いエリアだと感じます。
R︲DEPOTに新しい事務所を構えることにしたのも、新しい出会いから生まれる「何か」を期待したからです。これからの事業の在り方は、アイデアをオープンにして、それを実現させるためにどう連携していくかが非常に重要になると考えます。企業をつなぎ、コミュニティをつなぎ、年代をつなぎ、内と外をつなぐ。シソーラスがその役目を果たせればと思っています。