― (田村 洋氏)みなさん、こんにちは。今日は高校生のみんなからパワーをもらうつもりできました。よろしくお願いします。
全員 こちらこそ、よろしくお願いします。
― みなさん、緊張していますね。じゃあ自己紹介を兼ねて、先日食べていただいた、たむらのどらやきの感想から聞こうかな。
高木 どらやきが、というよりも餡を使った和菓子自体がひさしぶりだったのですが、とても美味しかったです。
矢﨑 サイズがちょうどよくて、皮もふわもちで美味しかったです。
山口 僕もひさしぶりに食べたんですが、すごく美味しく感じて、親に頼んでまた買ってきてもらっちゃいました。
― ありがとうございます。若い人に美味しいって言ってもらえると嬉しいですね。でもやっぱり、みんなひさしぶりに食べたんだね。
矢﨑 そうですね。ふだん自分で買うお菓子は洋菓子系ですね。
山口手軽ということもあって、コンビニで買うことが多いです。
― コンビニスイーツは身近な存在だよね。そんなみんなが「どらやき」をどうアレンジしてくれるのか楽しみです。3人で話し合ってきてくれたんだよね。
高木 はい、イラストにまとめてきたので見ていただけますか。
― わあ、これはすごいな。絵が上手だね。そしてみんな可愛い。
高木 ありがとうございます!
3人で話したらアイデアが溢れてきてしまって。まず1つめは、皮にりんごなどの果実を入れてクリームをはさんだどらやきです。見た目はどらやきですが、味はケーキっぽい感じに。
矢﨑 次は、餡のかわりにアイスをはさんだアイスどらやきです。フルーツのシロップをかけたら美味しいんじゃないかと思います。
山口 あと、最近「雪崩ケーキ」っていうのが流行っていて、スポンジ部分をどらやきにした雪崩ケーキも楽しいかなと。
― ああ、まわりのフィルムを外したらクリームが流れ落ちるケーキだ。インスタ映えですね。そうか、和菓子バージョンなら葛でやっても面白いかもね。でもクリームほど早く流れないから、バーバパパみたいになっちゃうか。
高木 それはそれで可愛いかも!あとは、どらやきを2つ重ねてまわりをクリームで覆った「どらやきケーキ」とか、サイズを小さくしたマカロンみたいなどらやきも可愛いかなと思います。
矢﨑 どらやきの皮をアイスのワッフルコーンみたいにした「どらパフェ」も食べてみたいです。
― いやすごいな。アイデアがいっぱいだね。すごく楽しいし、高校生らしい「映え」の視点が入っていて、自分では思いつかないな。
山口 実は10月21日から23日まで、長商デパートが開催されるんです。できれば今回の「どら・セッション」のどらやきを、長商デパートでも販売させてもらえないかなと思っているんです。
― それは光栄だね。でもそうなると、もっといろいろな視点で考える必要があるかな。和菓子に限らず食品は、温度管理や流通のこと、マーケットに対する商品価格の設定などを考える必要があるよね。冷蔵か常温かで流通させるコストや課題も変わるし、形状に合わせた容器を用意できなければ流通させることもできない。また、長商デパートに来た人が買いたいと思うどらやきの価格はいくらか、という視点も大事だよね。それによって作る「どらやき」も変わってくるはずだよ。
山口 ああ、確かにそうですね。自分たちが作りたいっていうだけで作っても、高くて売れなければ商品としては不完全ですよね。
高木 食べてみたいっていう視点だけで考えちゃったかも。
矢﨑 価格のこと考えなかったね。
― 最初はそれが一番だよ。自由な発想からスタートして、そこからいろいろな視点で検証していくことが大事なんだと思う。「商い」っていう長商ならではの「学び」につながってくれたら嬉しいな。
全員 はい!頑張ります。
― 皆で一緒に頑張りましょう。