大学でのプロジェクトとは別に、建築学科の仲間たちと始めたのが、「まるえいラボ」です。最初はフリーマーケットやイベントを企画していたのですが、地域の人たちと関わる中で、「こういうことができないか」などの相談を受けるようになり、外部からの依頼をカタチにしていくことが多くなりました。昨年の秋まで権堂のイトーヨーカドー前広場にあった「GONDO AKIBA BASE」のデッキも、自分たちが手掛けたものです。週末ごとにさまざまなイベントが開催され、まちの人たちが楽しんでいる様子を見ることができたのは嬉しかったですね。
R-DEPOTとの関わりも、「まるえいラボ」がきっかけです。R-DEPOTには2つの建物があるのですが、そのうちの「付属舎」のほうの改修を、「まるえいラボ」でやってみないかと声をかけてもらって。自分はその時大学院の2年だったので、「まるえいラボ」の活動はすでに後輩にまかせていたのですが、R-DEPOTの活動そのものに興味が湧いて、個人として参加することにしました。その頃はまだR-DEPOTも漠然としていて、何をどう進めていくのかも見えない状況でしたが、だからこそ面白かったですね。今はそれぞれのプロジェクトも稼働し始め、6月からは目に見える形で、地域とR-DEPOTが交流できるようになる予定です。
近年、地域活性化を目指して地方の「まちづくり」や「エリアリノベーション」が行われることが多いのですが、リノベーションを考えるプロデューサーと、そこで暮らすプレーヤーが違うことに齟齬を感じています。長野の地に住み、空き家をリノベーションして暮らし、地域の人と交流する中で見えてくる「まちづくり」があるのではないか。プレーヤーでありつつ、プロデューサーとして「まちづくり」を考えることで、まちのことをまちの人たちが自分たちで変えていく「まちづくり」の仕組みを構築できるのではないかと思考しています。
そんな夢を描いて、この春R-DEPOTに入社しました。自分にとって長野は第二の故郷。今は長野のまちづくりに関われることに喜びを感じています。