そうして起ち上げたのが「ふろしきや」です。人と人、人と地域、人と仕事。そんな「まち・人・仕事」の未来の在り方を考えたとき、それぞれを結びつけることで地域の課題解決ができるのではないかと、自らをまとめ役と位置づけ、「ふろしきや」をはじめました。
千曲市に拠点を移したのは、利便性と自然とのバランスが絶妙だと感じたから。あとは人の穏やかさ、それと温泉ですね。「まちづくりシンポジウム」にパネラーとして参加したことがきっかけとなり、当時新たな考えとして提唱され始めていた「ワーケ―ション」について、取り組むことになりました。
「ワーケ―ション」とは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語です。リゾートテレワークやリモートワークと違い、参加した人が楽しめる「人の輪」の創出が重要であり、実際に町を歩き、地元の人とふれあえるワーケ―ションが求められていると感じます。
先日開催した5回目となる体験会では、しなの鉄道さんの協力を得て観光列車ろくもんを貸し切りに。ろくもんは座席が個室風になっている車両もあり、ソーシャルディスタンスを保ちながら仕事をするのに適しています。皆、車窓から信州の雪景色を楽しみながら、ゆったりと仕事をしていましたね。「第2、第3のふるさとができるようなワーケーションであってほしい」という参加者の言葉が、これからのワーケーションの方向性を示していると思います。最近では参加者自らが、より快適なワーケーションのためのアプリを開発したりと、新しいビジネスも生まれ始めています。千曲市での成功事例を全県、やがては全国で展開できるよう、更に回数を重ねていくつもりです。
直近では、5月22日(土)から29日(土)の1週間、「ワーケーション・ウェルカムデイズ」を開催する予定です。5月は新緑が美しい季節ですし、26日はなんとスーパームーンなんですよ。楽しめる要素を盛り込みつつ、自分のペースで仕事ができる自由度はそのままに、今まで以上に進化したワーケ―ションを実現させたいと思っています。県内の方も参加できますので、ぜひ一度体験してもらいたいですね。