宇木地区には、千歳桜の他にも美しい桜が各所にあります。隆谷寺の桜は樹齢約400年。シダレザクラの原種といわれる珍しい桜です。宇木区民会館前には樹齢300年を超えるシダレザクラがあり、北信五岳を見渡せる高台には大久保の桜があります。大日庵の源平しだれ桜は町の天然記念物に指定されており、白い花弁のシダレザクラが美しく咲き誇ります。
千歳桜を含むこれら5本の桜を総称して「宇木の古代桜」と呼んでいます。5本の桜は歩いて回ることもできるため、天気の良い日は1時間ほどかけて桜を巡る方もいらっしゃいます。
2010(平成22)年から開催している「宇木古代桜まつり」は、昨年で10回目を迎えました。毎年4月の中旬から下旬にかけて開催されるこのお祭りでは、県内外から訪れる方のために、地区の皆さんが自慢の郷土料理やきのこ汁、宇木で採れたりんごを使ったリンゴジュースなどを無料で振る舞います。中でも、古代桜のうちの1本がある隆谷寺のお米と、宇木地区の八重桜の塩漬けで作られた桜むすびは大人気で、握っても握ってもどんどんなくなっていくほどです。その他、おでんやちまき、春野菜や山菜等の物品販売も行っています。
また、今年は新たな試みとして、千歳桜の剪定した枝を使って作った勾玉を、古代桜の保護活動に千円以上寄付してくださった方へプレゼントしようと考えています。勾玉は、魔除けや厄除け、開運などのお守りとしてはもちろん、持ち主の健康や生命力を向上させ、能力を高めるパワーがあるといわれています。また、勾玉の形が胎児に似ていることから、女性には安産のお守りとしても人気があります。千歳桜は樹齢900年ということから、健康長寿のお守りになるのではないかと思っています。
古代桜の中には樹勢が弱っているものもあるため、いただいたご寄付は、先人たちが守り続けてきた古代桜を次代へと継承していくために活用させていただきたいと思っております。ぜひ、宇木の古代桜を見に来てください。