もちもちとした独特な食感の皮で、たむら自慢の餡をくるりと包んだ「ひじり餅」。平成25年に開催された、第26回全国菓子大博覧会・広島にて農林水産大臣賞を受賞した逸品です。
　しっとりと柔らかでありながら食べ応えのある皮は、国産のもち米を配合したもの。どらやきの皮と比べて膨らみにくく焼きの時間もかかるため、職人の技が光ります。焼き上げた皮を一枚一枚、素手で受け止め確認することで、あのもちもちとした美味しい皮が仕上がるのです。
　中に包む餡は、丹波の大納言を用い丁寧に炊き上げたもの。皮と一緒に口に入れた時にもっとも美味しく感じられるよう、甘味や粒感に配慮しながら作っています。そうして仕上げた餡を、粗熱をとった皮にたっぷりとのせて優しく包みます。皮が柔らかいからこそ、割れることなく餡を包み込めるのです。
　そんな「ひじり餅」の名の由来は、その昔、善光寺の名を全国に知らしめるべく勧進してまわった僧侶たち、「善光寺聖（ぜんこうじひじり）」より頂戴しました。善光寺のお膝元で日々、商いをさせていただいているからこそ、その感謝の思いを菓子に込めて、お客様へと届け続けたいと思っております。