まず、鬼無里にとって地域の課題でもある「雪下ろし」問題に取り組みつつ、「雪下ろし」を逆手にとって、冬でも鬼無里に人が来てくれるような活動にできないかと考えました。そんな時に「越後雪かき道場」の存在を知り、これならマイナスのイメージだった雪をプラスに変えて、地域内はもちろん、さまざまな人と交流する「場」を設けることができるのではないかと思ったんです。そこで地域の30代、40代を中心に声をかけ、みんなで「越後雪かき道場」に弟子入りすることにしました。
「越後雪かき道場」は、雪下ろしの知識やノウハウを広く伝えることで地域の安全な除雪をバックアップし、雪下ろしボランティアの育成に力を注ぐ団体です。開催される講習会に参加することで経験を積み、鬼無里に戻って安全な雪下ろしを啓蒙するなど活動を重ねることで、2019年2月9日、正式に「のれん分け」をしていただくことができました。これからは「鬼無里雪かき道場」として、鬼無里が中心となって雪下ろしの講習会やイベントを開催することができます。住んでいる人はもちろん、地域外の人にもどんどん参加してもらって、雪を通した交流を盛んにしていきたいなと思っています。
現在、これらの活動を中心に行っているのが「鬼無里プライドプロジェクト」のメンバー。あくまでもボランティアなので、鬼無里のために何かやろうと思った人たちが集まって、気負うことなく楽しく活動しています。鬼無里独自の活動として、雪のない季節に高齢者宅の屋根の形状や雪止めの位置などを調査し、冬に安全に雪下ろしができるようにするための「雪下ろし住宅カルテ」の作成にも取り組み始めました。
私たちが楽しみながら、鬼無里のためにできることをやっていくことで、鬼無里で育つ子どもたちが自分たちの故郷にプライドを持てるような、そんな鬼無里になっていってほしいと願っています。