ECサイト「農家直売どっとこむ」は、立ち上げ当初まったく売れませんでした。他のサイトは売れているのに、うちが売れない理由はなんなのか。その課題を解決するために、自社にITに強い人材を確保するところから始め、PDCAを回しながらマーケティングを学び、サイトのブラッシュアップを重ねていきました。その結果、6年間で売上を約700倍にまで伸ばすことに成功したんです。その時に、自社の「課題」を解決するために蓄積したこのノウハウを、新たなプロダクトとして売ることができるんじゃないか、と思ったんです。そこで、ITを活用して「課題解決」を目指す「ビーズクリエイト」を立ち上げ、新たな事業を始めました。
自分たちで「農業」をやってみようと思ったのも、成功事例を作ることで、新たに「儲かる農業」のプロダクトを構築したいと考えたからです。
現在「カラサワファーム」では、信州大学が開発したイチゴを、「信州ごちイチゴ」という商品名で商標登録し、栽培を始めています。「信州ごちイチゴ」のバックボーンからストーリーまでをどう創り上げ、ブランディングし、販売に繋げていくか、すべてが検証です。また、「おいしさ」の根拠を明確にするために、生産工程を数値化する「見える化」にも取り組んでいます。もちろん初めてのことですから失敗もありますが、仮説を立ててPDCAを繰り返すことによって、数値化された生産システムを構築できるのではないかと思っています。
日本の農業は厳しい状況が続いていますが、もう一度、必ず注目されるときが来ると思っています。その時のために、ITを活用したさまざまなプロダクトを確立し、農業業界全体の活性化をお手伝いできればと思います。
自分は、いつも同じことをしていたくはないんです。答えは別のところにある。常に自分たちが今やっていることが本当にベストなのかを考えながら、時代とともに変わっていく「課題」を「解決」できる人間であり続けたいと思います。