今、うちの畑で作っているりんごは15種類ほど。りんごの王様「ふじ」はもちろん、信濃生まれの「シナノスイート」や「シナノドルチェ」、近年また人気が高まってきた「紅玉」などを中心に栽培しています。さらに今年初めて市場に出された長野県オリジナル品種りんご「シナノリップ」も植えました。数年後には収穫できると思うので、今から楽しみです。
また、りんごはできるだけ農薬を使わない「減農薬」で栽培しています。消費者の方の安心・安全はもちろんですが、自分の体に負担をかけないことも非常に重要だと思っています。畑は、私たち農家にとって仕事場であり、生活の場でもあります。うちは有機質肥料を使って土の養分を養い、ミミズや微生物が繁殖できるように除草剤も使っていません。だから一面草でふかふかですし、虫もいっぱいいます。小さい子どもが走り回れる畑、自分の子どもが安心して遊べる畑こそ、安心の証だと思っています。これからも、誰にとっても安心・安全な美味しいりんごを作り続けていきたいと思います。
よくお客様に、どんなりんごが美味しいのかと聞かれることがあるんですが、りんごの美味しさで重要なのは、酸味と甘みのバランスだと思います。フルーツというと甘みばかりが着目されがちですが、りんごは酸味があってこそ美味しい。マルシェなどで直接お話する機会もあるんですが、酸味を求める方も多いですね。お客様の好みにあったものをお勧めして、食べていただいた方が「美味しかったよ」とリピーターになってくださると、本当に嬉しいですね。
飯綱町は標高が500~700mほどあり、寒暖の差が激しく、平均気温は10・9℃と涼しい気候が特徴です。降水量も少ないのでりんごの栽培に適していて、町全体では36種類以上ものりんごが栽培されているんです。りんご農家だけでなく、飲食店やお菓子屋さんなど、町全体で「りんごといえば飯綱町」を盛り上げようとしているのを見ると、りんご農家としても、「飯綱のりんごは美味しい」と言ってもらえるよう、頑張って美味しいりんごを作っていきたいと思います。