さらに、思考力や想像力を育てるためには自然の中での原体験が大切なのではないかと思い、毎年夏に「サマーアドベンチャーキャンプ」を開催しています。今年で5回目を迎えましたが、年々パワーアップしていますね。ダイナミックにモノづくりを楽しむことで、子どもたちが大きく成長する姿を見ることができ、本当に楽しいです。
また、「子どもたちが日常的にモノづくりを体験できる場所」を長野につくりたいと思い、倉庫をリノベーションして作ったアソビズム横町LABOに、今年の6月に「PLAY&CRAFT(プレイ&クラフト)」をオープンしました。LABOの2階スペースには、2つの工作室を用意。「プリミティブクラフトルーム」には、ダンボールや絵の具、手芸用品などが揃えられ、はさみやカッターなど自分の手を使ってモノを作ることを楽しみます。「テッククラフトルーム」は、もう少し発展して工具などを使ったモノづくりができます。子どもたちは、ここでは自分が作りたいモノを作ります。周りの目を気にしなくていいし、褒めてもらおうとか、喜んでもらおうとか、考えなくてもいいんです。自分の中から湧いてくるものを作るとき、子どもたちは集中し、また自分が納得できるモノを作るために人に意見を求めたり、工夫するための知識を得ようとします。
これこそが、本当の意味での「学ぶ力」だと思います。経験を通して学び方を覚えると、子どもたちは思考力や想像力をフル稼働させて、興味のあることにどんどん向かっていくようになります。彼らの感覚を信じ、見守ることが私たちの仕事なのだと思います。
新たな取り組みとして、「ブートストラップ少年団」(略:ブースト団)という総務省の「地域におけるIoTの学び推進事業」実証事業も始まります。これは、プログラミングを教えたいという意欲のある人を支援する事業です。ブースト団が増えて、子どもたちが自ら学びたいと感じられる場がどんどん広がるといいなと思っています。