今、私が飼育を担当しているのは「ウォンバット」です。ウォンバットはオーストラリアの草食動物で、生態は異なりますがコアラに近い動物です。夜行性で、昼間は地中に穴を掘ってもぐっていることが多いので、姿を見るなら午前中早いうちか閉園前がおすすめです。
茶臼山動物園にウォンバットがきたのは、1995年。長野冬季オリンピック開催に伴う親善大使として、オーストラリアのタロンガ動物園から3頭が来園しました。「チャタロウ」「スミレ」「モモコ」と名付けられて仲良く元気に過ごしていましたが、2004年にチャタロウが、そして今年の春にスミレが死亡してしまい、モモコ1頭になってしまったんです。そこで同じくウォンバットを1頭飼育していた名古屋の「東山動植物園」から雄のウォレスを招いて、モモコと一緒に飼育することになりました。スミレが死亡して寂しそうだったので、2頭が仲良くなってくれると嬉しいですね。
ウォンバットは飼育や繁殖が難しく、現在日本でウォンバットを見ることができるのは2つの動物園だけ。また頭数も7頭しかいません。そのひとつが大阪の「五月山動物園」で、タスマニア島由来のウォンバットが5頭飼育されています。そして残りの2頭がここ、茶臼山動物園なんです。茶臼山動物園にいる2頭はオーストラリア本土に生息するコモンウォンバットで、ここでしか見ることができません。新しく仲間になったウォレスとモモコが、レッサーパンダのロン君やアライグマのカール君に続く茶臼山動物園の人気者になってくれたらいいなと思っています。
8月10日(金)~16日(木)の期間は、夜9時まで開園する「サマーナイトZOO 2018」が開催されます。夜行性のウォンバットをじっくり見られるチャンスなので、ぜひ大勢の方に参加していただきたいですね。夜だからこそわかる動物達の生態を楽しんでいただけたらと思っています。