試飲と醸造を繰り返し、「これならいける」という「味」が決まったのは、平成29年8月のことでした。ビールならではのすっきりとした味わいと喉越しに、ふわりと感じるりんごの甘みと香り。どちらかに偏るのではなく、絶妙なバランスでフルーツエールらしい味わいに仕上がったと思います。アルコールが3%なので、お酒やビールが苦手な方にもお勧めです。須坂市内で採れたりんごと名水を使って醸されたフルーツエールは、まさに「須坂の味」そのもの。須坂ではその昔、ホップを作っていたこともあったそうなので、このプロジェクトが発展していけば、ホップや麦も須坂市内で生産し、完全須坂産のフルーツエールを造ることも夢ではないかもしれません。
発売当初は樽で卸していたので店舗でしか味わうことができませんでしたが、今年の4月6日から330ml瓶の販売も開始しました。取り扱っていただける酒店や飲食店も増え、お土産としてMIDORI長野の信州くらうどや、ながの東急百貨店地下のリカーショップでも好評をいただいています。現在は製造が追いつかないくらいなのですが、これに甘んずることなく、新商品の開発や新たな販促展開についての検討が始まっています。
プロジェクト始動から発売まで2年余り。行政主導のプロジェクトでありながら、ここまで早く「信州須坂フルーツエール」が実現できたのは、メンバーそれぞれが、自分の領域を少しずつ超えてお互いにフォローし合い、できることをやっていこうと動いた結果だと実感しています。地域の飲食店をはじめ、多くの方たちが積極的に協力、参加してくださったのは本当に嬉しかったですね。いろいろな方とのご縁があって「信州須坂フルーツエール」が今、ここに在るのだと思います。そのご縁を大切に、これからますます「信州須坂フルーツエール」の存在を多くの方に知っていただきたいと願っています。