• 戸倉上山田温泉のために
    自分たちが今、できることを
    自分たちらしく
    続けていきたいと思います。

      • 戸倉上山田温泉 湯あがり美女連

        荻原 祥子

        Sachiko Ogiwara


      • 戸倉上山田温泉 荻原館
      • 千曲市上山田温泉1-31-3
      • 026-275-1018
      • https://www.ogiwarakan.com/

まずは自分たちが楽しく、
そして戸倉上山田温泉を元気に。

 「湯あがり美女連」は、戸倉上山田温泉を愛し、戸倉上山田温泉を次代へとつなげるため、できることはないかと自ら集まったグループです。といっても、自分たちが楽しいかどうかが一番。誰に強制されたわけでもなく、いつの間にか仲間が増えました。
 その始まりは、毎年戸倉上山田温泉で開催されている夏祭りです。平成の合併以降、戸倉上山田温泉が長野県のどこにあるのかを知らないというお客様が増えてきたことに危機感を持ち、もっと戸倉上山田温泉が注目されるにはどうしたらいいかと、有志3人で「湯あがり美女連」を結成。友人知人に声をかけ、500人以上が参加する夏祭りの民踊流しで、県歌「信濃の国」を踊りました。「信濃の国」を踊ったのは、長野に戸倉上山田温泉あり、と伝えたかったから。その心意気が伝わったのか、以降さまざまなお祭りから声がかかるようになりました。
 メンバーは、酒屋や味噌屋、りんご農家にイタリアンレストラン、主婦、旅館など職種もさまざまです。横のつながりを持つことで情報を交換し、自分では思いつかないアイディアに驚いたり、楽しんだり。お互いに心と心の距離が近く、仲間がいると思うと心強くもあります。

もっともっと多くの人の
心を動かす存在でありたい。

 呼んでいただけるイベントが多くなると、踊る曲のレパートリーも増えました。「信濃の国」以外にも、「風林火山」や「戸倉上山田音頭」、「戸倉上山田小唄」など、機会をいただき披露させてもらっています。「戸倉上山田音頭」と「戸倉上山田小唄」は、戸倉上山田温泉のために書き下ろされた、私たちにとって大切な曲です。「戸倉上山田音頭」は、石本美由起さん作詞、遠藤実さん作曲。そして歌は昭和の演歌を代表する村田英雄さんと花村菊江さんです。また「戸倉上山田小唄」は、西沢爽さん作詞、作曲は昭和の大作曲家、古賀政男さんです。さらに歌は皆さんご存じの五月みどりさんなんですよ。この曲を依頼した昭和の時代、いかに戸倉上山田温泉が活気づいていたかわかります。あれから時代は移り変わり、団体旅行から個人旅行へと旅のあり方や、旅に求められるニーズも大きく変化しました。それでも、戸倉上山田温泉には、全国に誇れる良質なお湯があり、歴史に裏打ちされた文化があります。私たちは、誇りを持って戸倉上山田温泉を、自らが動くことで応援し続けていきたいと思っています。
 昨年、千曲市観光局主幹で「ブランドコンセプト検討委員会」が立ち上がりました。この委員に選出されて、1年間会議に出席する中で決まったキーワードが「MOVE YOUR MIND」です。戸倉上山田温泉には心を動かす出会いがたくさんあります。それは温泉であったり、人とのふれあいであったり、訪れる方それぞれに感じていただけるものがあるはずです。そんな戸倉上山田温泉にぜひいらしていただきたいとの思いを込めて、「湯あがり美女連」でもTシャツを作りました。大きく描かれたハートは、姨捨からの夜景がハートに見えることや、心、さらにMOVEのMをイメージしてデザインしました。ご希望の方には販売もしています。ぜひ、このTシャツを着て戸倉上山田温泉の街を散策してほしいですね。
 湯あがり美女連の練習は、月に1回。仕事が終わった夜に集まって踊りの練習をしています。皆と会うことで、お互いに励まし合い、力をもらっていると感じます。こんな時代だからこそ、自分ができることをやろうと前を向けるのも、仲間がいるからだと感謝し、この活動を続けていきたいと思います。

(2020年11月号掲載)