• 地域のために
    自分にできることは
    何かを
    常に考えています。

      • 手提屋
        プランナー

        水島 康明

        Michiaki Mizushima


      • 手提屋(株式会社水島紙店)
      • 長野市高田420
      • 0120-358-296
      • https://tesageya.net/

紙のプロとして 自分たちができることを模索。

 祖父が創業した紙の卸問屋、「水島紙店」を8年前に継いで4代目となりました。この業界に入ったのは1996(平成8年)。当時は長野オリンピック開催前で、地域全体に活気がありましたね。あれから20余年、スマートフォンの普及やIoTなど、ものすごい速さで時代が変化していることを実感しています。
 紙問屋は、お客様の要望に添った紙を提案し、お届けするのが仕事です。ベーシックな紙から個性豊かな特殊紙まで、多岐にわたる紙のすべてを「知っている」のが紙屋なんです。そんな紙のプロとして、もっとダイレクトにお客様とつながりたい、紙屋だからできることがあるんじゃないか。そんな思いから、一昨年の12月に「手提屋」を起ち上げました。
 「手提屋」では、紙袋はお店の顔(ブランド)であり、お客様とのコミュニケーションツールであると捉えています。モノのやりとりがある以上、それを入れる袋は必ず必要です。それが素敵な紙袋だったら、渡す人も、受け取る人も、それを目にする地域の人も、ちょっと幸せになれるんじゃないかと思うんです。紙のプロである「手提屋」だからこそ提案できる紙袋を、お客様と一緒に考えていきたいと思っています。

地域とともに
「手提屋」にできることは何か。

 「手提屋」として事業を展開する中で新たに生まれたムーブメントが「脱プラスチック」です。海洋汚染問題が大きく取り上げられたことは記憶に新しいと思いますが、今のままだと2050年までに海に捨てられるプラスチックごみの総重量は、海に生息する魚の総重量を超えると言われています。すでにユニクロや無印良品など大手が紙袋への切り替えを行っていますが、この考え方を更に地域に浸透させ、地域全体、地球全体で取り組んでいくことも「手提屋」の使命ではないかと考えています。「手提屋」はSDGsにも取り組み、今年2月に「長野県SDGs推進企業」として登録されました。持続可能な社会のために、自分たちに何ができるのかを、じっくりと考えていきたいと思います。
 また現在、世界は新型コロナウイルスで大変なことになっています。日本も全国に緊急事態宣言が出され、不要不急な外出の自粛が求められています。そんな中、逼迫しているのが地域の飲食店ですが、今、新たな取り組みとしてテイクアウトの動きが高まってきています。
 「手提屋」では、「ながの情報NEXT」とコラボして、新たにテイクアウトを始めるお店をサポートするプロジェクトを始めます。「手提屋」からはテイクアウト用の紙袋を無償提供させていただき、お店の情報は「ながの情報NEXT」に無料掲載して発信していく予定です。ピンチをチャンスに変えようと前向きに考えている飲食店の皆さんとともに、今、できることに取り組んでいきたいと思います。
 また今回の動きが、「テイクアウトの新しい楽しみ方」の発見につながればいいなと思っています。ピザやハンバーガーなどのファストフードも美味しいですが、地域のお店の美味しい料理を自宅で味わうことができるのもテイクアウトの醍醐味です。家で食事を作る回数が増えている今だからこそ、テイクアウトを上手に活用して、いつもとは違う食事をゆっくりと楽しむ喜びを知ってもらいたい。そうして状況が終息した後も地域のテイクアウト文化が盛り上がれば、きっと新しい「食」の楽しみ方が定着するはずです。今、目の前に広がる危機を新しい可能性につなげるために、「手提屋」としてできることに挑戦していきます。
(4月20日取材)

(2020年6月号掲載)