• スパイスカレーと
    クラフトジンの組み合わせを
    多くの方に
    楽しんでいただきたい。

      • spice & herb AYA CURRY

        笠井 彩夏

        Ayaka Kasai


        笠井 茂真

        Shigemasa Kasai

      • spice & herb AYA CURRY(アヤカレー)
      • 長野市中条日下野4792(旧音楽堂)
      • 026-405-8048
      • ※1月1日から3月31日までは冬季休業となります。
      • https://www.instagram.com/aya_curry/

お酒好きな二人が出会って
スパイスの世界に魅了されて。

 諏訪出身の私と中条出身の主人との出会いは、当時、私が働いていた長野市内の沖縄料理店でした。お互いにお酒が好きで意気投合。主人はウイスキーの世界にどっぷりハマっていて、私が長野駅前に「AYA CURRY」をオープンした年に「オステリア・ガット」というお店の店長になり、お互い自分の好きなものを突き詰めていきました。
 実はスパイスカレーはまったくの独学なんです。「スパイスカレーってお酒のおつまみにいいな」と思ったのがきっかけで、そこから色々と試しながらスパイスの知識を深めていきました。そんな中、主人がウイスキー造りを学びたいと福島県の「笹の川酒造株式会社/安積蒸留所」の門を叩くことを決め、私も店を閉めて一緒についていくことに。酒造りをじっくりと学び、翌年「飯山マウンテンファーム蒸溜所」の製造責任者になった主人がウイスキーやジンの蒸留を手掛ける中で、ジンに使う素材がスパイスカレーと同じだということを知りました。自分たちが好きなジンもカレーも、スパイスによって世界がつながると気付いてから、ふたりでお店をやろうと決意。紆余曲折を経て、主人の故郷である中条の旧音楽堂にお店を開くことを決めました。今思えば、縁に導かれたような気がします。
 2023(令和5)年5月、「spice & herb AYA CURRY」をオープン。山奥にもかかわらず、長野市をはじめとする遠方の方も訪れてくださって、本当に感謝しています。「AYA CURRY」を通して中条を知り、足を運んでもらえる機会になることで、地域を少しでも元気にすることができれば嬉しいですね。お店で使用する食材もできるだけ地元のものを使うようにして、この地域だからこそ作れるスパイスカレーを届けたいと思っています。

二人のこだわりを
スパイスで表現していく。

 スパイスは自由度が高く、可能性は無限大です。取り入れるのが難しいと思っている方も多いかもしれませんが、ほんのちょっと加えるだけで風味や味の変化を楽しむことができます。私自身、和食に合わせると美味しいと感じていて、お店で提供しているカレーにも和の食材をよく取り入れています。最初の1本はクミンシードがおすすめ。サバを塩焼きする際にクミンとターメリックをまぶすだけで、生臭さを抑えて香り高く美味しく焼き上げることができます。他にもいろいろ挑戦していくと、きっとスパイスの可能性や自由な組み合わせが楽しくなるはず。ぜひスパイスの世界に足を踏み入れてほしいですね。
 スパイスカレーを作るようになって約10年。もっとこだわれる、もっと美味しくできると思っています。地元をはじめとする農家さんの「顔」が見える野菜を取り入れ、安心・安全な食材を使って、体が欲するもの、心が満足できるカレーを作っていきたいと思います。スパイスは、自分次第でどこまでも追求できる。そんな魅力をこれからも夫婦で発信していきたいと思います。
 2025年はいよいよ覚悟を決めて、ジンの蒸留所開設に本腰を入れていく予定です。それに伴って、春以降、「AYA CURRY」は縮小営業の予定ですが、店をオープンする際に2人で願った「スパイスカレーとジンを一緒に楽しんでもらえるお店」の実現に向けて、頑張っていきたいと思います。また、イベント等は変わらず積極的に参加していきたいと思っていますので、長野市内の方にお会いする機会は増えるかもしれません。一期一会を大切に、身体も心も元気になるカレーとジンをお届けしたいと思います。

(2025年1月号掲載)