80℃15分殺菌で
変わらぬ美味しさを。
創業、昭和25(1950)年。先々代が、故郷である小布施町で始めた小さな牛乳屋が、「オブセ牛乳」です。以来70余年にわたり、オブセ牛乳は地域の皆さまに愛され続けてきました。
妻の実家であった「オブセ牛乳」を継いだのは、今から7年ほど前のこと。それまで岐阜県庁の職員として働いていた自分が、まったく畑違いの牛乳の世界に飛び込んだのは、「この味を守りたい」と強く思ったからです。先々代がたどり着いた「80℃15分殺菌」こそがオブセ牛乳の美味しさの秘訣で、これは「超高温殺菌」で生乳を2、3秒で殺菌、大量に流通させる大手にはできない製法です。時間も手間もかかりますが、だからこそオブセ牛乳独特の甘みとコクが出せるのです。自分たちが美味しいと思う味、小布施の人たちに愛される味を変えることなく、これからもこの製法を守り続けていきたいと思います。
オブセ牛乳を活かしてくれる
新しい出会いに感謝。
「旬彩菓たむら」さんとのお付き合いは、もう5年ほどになります。「地産地消を目指し、美味しい牛乳でお菓子を作りたい」と、ご連絡をいただいた時は本当に嬉しかったですね。たむらさんといえば、県産の小麦粉や蕎麦粉、卵、蜂蜜など、地産の食材にこだわる老舗のお菓子屋さん。その仲間にオブセ牛乳も入れていただけたのだと、誇りに思っています。オブセ牛乳の美味しさを引き出す職人の技にも感銘を受け、「オブセ牛乳を使ったカスタードクリームは、香りとコクが違う」と言っていただけたことは、私の自慢です。以来、たむらさんのファンとしてさまざまなお菓子をいただいていますが、中でも「蕎麦朧」はオブセ牛乳と合うお菓子だと、ひそかに楽しんでいます。オブセ牛乳はホットミルクにすると、より甘みとコクが引き立つのですが、ホロホロとした蕎麦朧の優しい甘さをオブセ牛乳が包み込んで、口の中が幸せに。癒される美味しさに、心も体もほどけていくような気がします。これからの寒い季節にぴったりの楽しみ方だと思います。
たむらさんを始め、さまざまな方とのご縁の中で、オブセ牛乳も新しい挑戦が始まっています。マルイチ産商さんで開発・販売している「オブセ牛乳シリーズ」は、もう10種類くらいになりますし、手作りヨーグルト専門店の「バスチアンヨーグルト」さんともコラボし、新たにオリジナルヨーグルトも開発しました。現在は本社にヨーグルト製造のための設備を整えているところで、今春の稼働を目指し、準備しています。
酪農家の減少など厳しい現実もありますが、オブセ牛乳ができることを増やすことで、100年続く地域の牛乳屋さんを目指したいと思います。