赴任当時から、長野の皆さんには温かく迎え入れてもらいました。2018年に長野県短期大学から長野県立大学へとステージは変わりましたが、長野という地域で学生たちとともに実践を通して学びを深め、同時に地域の課題解決に少しでも参画、貢献できればと思っています。
現在、学生たちと進めているプロジェクトは大きく3つあります。ひとつは、「戸隠みらい」プロジェクトです。戸隠地区住民自治協議会の皆さんとともに、戸隠のみらいビジョンを考えています。戸隠の魅力を活かし、課題を解決するためのワークショップが2月11日に開催され、学生を含め60人を超える参加者がグループワークを行い、戸隠の魅力アップのためのアイデアを出し合いました。今年度は、そのアイデアを具現化するための活動を展開する予定です。
もう一つは、「門前まちづくりサロン」です。これは2020年12月から、毎月第4木曜日の夜に開催しています。きっかけは、学生たちの「まちづくりに興味はあるが、一歩が踏み出せない」という声でした。であれば、さまざまな立場でまちづくりに関わっている人や面白い人に出会える「場」を作れば、新たな一歩を踏み出せるのではないかと思ったのです。市会議員である箱山正一氏と共同開催し、オンラインで始めました。今年は、対面開催に舵を切り、より濃い討議的空間をつくることができればと考えております。
最後に、今期から始めようとしているのが、「まちの図書館(仮称)」プロジェクトです。これは、長野の中心市街地である駅前の空洞化や空き家問題を解決しながら、学生やまちの人たちがふらりと立ち寄れる「居場所」作りを目指しています。まだ企画段階ですが、さまざまな人が気軽に集まる中から地域の課題を吸い上げ、皆で考える空間ができればと思っております。年配の方から土地の歴史を聞くだけでも、学生たちにとっては大きな実りです。まちのなかで、これまでのような共同性が解体してしまった今だからこそ、まちの灯になるような、ほっとできる空間を、学生たち、そして地域のひとたちとともに作ることができれば素敵ですね。