飯山では以前より、「寺の町いいやま」に多くの方が訪れてくださることを目指して、「寺巡り」や「七福神巡り」などを企画しています。私たちも地域を盛り上げるために、できる限りご協力したいと思っております。大聖寺独自としては、写経体験や写仏体験、坐禅などの体験も受け付けています。飯山の豊かな自然を身近に感じながら、心静かに写経や写仏、坐禅に取り組んでいただくことで、自らに立ち返るひとときをお過ごしいただけると思います。
また、曹洞宗大本山永平寺で修行を積んだ副住職による精進料理を、ご予約いただいた皆さんへご提供しています。曹洞宗では、食事を作ることも、食べることも、大切な修行のひとつとして捉えられています。副住職は永平寺での修行中に、「大庫院(だいくいん)」と呼ばれる厨房で精進料理を学びました。曹洞宗といえば、有名なのが「胡麻豆腐」。豆腐といっても大豆から作る豆腐ではなく、本葛と胡麻を練り上げることで作られる精進料理です。一品一品丁寧に手をかけて、副住職が自ら手作りする精進料理を食する機会はあまりないかと思います。精進料理をいただくことで、「いただきます」の心、所作、作法に込められた心を学ぶことができます。
さらに月に一度、住職による「大人の寺子屋」も開催しています。飯山の各寺の住職が持ち回りで法話や茶話会を開き、皆さんの悩みや思いに寄り添います。また四季折々に彩られる山門では、門前市を開いております。農産物をはじめとする近隣各店の品を揃え、多くの皆さんに親しまれています。お近くにお越しの際には、お気軽にお立ち寄りいただければと思います。
新型コロナウイルスによるさまざまな制限により、この2年は仏事にも大きな影響が出ています。故人をお送りするお葬式や法事も簡素化され、ご先祖様を大切に思う心がどんどんと希薄になっているように感じます。時代の変化を受け入れながらも、無くしてはならない心、守るべき心を、これまで以上に大切にしていかなければならない時代がきているように思います。私たちが日々生きていく中で、もっとも大切にしなければならないのは、慈悲の心です。お互いが寄り添うことを忘れずに、日々を過ごしていければと思います。