• 子育てしやすい未来を
    創るために
    これからも地域とともに
    歩んでいきます。

      • 一般社団法人 信州子育てみらいネット
        代表理事

        山岸 裕始

        Hiroshi Yamagishi


      • 一般社団法人 信州子育てみらいネット
      • 長野市西三才2280-1
      • 026-262-1572
      • https://chiikihoiku.net/

まちづくりへの興味から
見えてきたものがある。

 生まれも育ちも小布施町。小布施の町が大好きで、仕事のかたわら、小布施まちづくり委員会や消防団、青年団にも積極的に参加して、地域のお祭りなどのお手伝いをしていたんです。そのうちに町の課題も見えてきて、じゃあ自分でも動いてみようと「O・M・C小布施まち創りクラスタ」を起ち上げました。
 O・M・Cでは、小布施総合公園でのフリーマーケットや着物コンテストの開催、小布施町若者会議への参加など、「やってみよう」と思うことはどんどん挑戦していましたね。そもそも小布施の町は、先人たちが素晴らしい街並みを作り上げてくださっているんです。それなら僕たちの世代はソフトの面から小布施町を創っていこうと考えていました。そんな時に、ある町議の方から選挙に出てみないかと言われて。悩みましたが、これまでとは違う視点から小布施町を見ることができるかもしれないと立候補し、2011年から2期8年、小布施町の町議会議員として活動しました。
 現在の子育て支援事業を始めたきっかけも、小布施町若者会議でした。「体に良い有機野菜を保育園等の子どもたちに食べてもらいたい」という農家さんの思いを起点にいろいろと調べていくうちに、長野市で希望する園に子どもを預けられず仕事復帰ができない人がいることを知って。じゃあまずは困っているお母さんたちが仕事に復帰できるようにしよう、と思ったのが「みらいく」の始まりです。

誰もが子育てしやすい未来を
創っていきたい。

 2015年の4月に一般社団法人信州子育てみらいネットを設立し、その年の8月にまずは認可外の「ちいきの保育園みらいく」を開園しました。その後、長野市との協議を経て三才に小規模の認可保育園「みらいく保育園」を開園。さらに子ども・子育て支援法が改正されたことによる企業主導型保育事業として、高田、早苗町、そして小布施町にも、それぞれ保育園を開園することができました。
 「みらいく」という名称には、「未来・育児・共育」を地域と一緒になって保育園で行っていきたいという思いが込められています。「みらいく」でお預かりするのは未満児さんなので、お母さんの中には小さなお子さんを預けることにためらいを感じる方もいらっしゃいます。けれどもお友達とふれあう中で芽生える社会性や、手洗い、うがいなどの生活習慣が身についていく我が子の姿に、「子どものためにも自分のためにもよかった」という声を多くいただいています。
 また、各園の保育士には、「自由と自立」の精神で、常に子どもたちのために何ができるのかを自ら考え行動していくことをお願いしています。これは、誰か上の人が決めてくれたことをやるのではなく、自らの考えで園を創り上げてほしいという思いがあるからです。そのため「みらいく」では、各園によって行事や保護者との関わりなどが少しずつ違います。
 例えば「食育」については各園ともに取り組んでいますが、畑のある園では農家さんと一緒に畑仕事をすることもあります。地域の提携農家さんから仕入れたとうもろこしの皮をむいたり、豆腐を切ったりすることで、食べ物に興味を持ってもらえるような食育に取り組んでいる園もあります。
 現在では食育をはじめとする各園でのさまざまな取り組みをお互いに共有し、さらに子どもたちにとってよい環境を創るよう努めています。これからも地域とともに子育てしやすい未来を創るために、さまざまなことに挑戦していきたいと思います。

(2020年5月号掲載)