• 人との出会い、人との縁が
    いつのまにか自分を成長させ
    気がついたら
    世界大会のピッチに立っていました。

      • カシヨ株式会社
        スペシャルオリンピックス日本・長野
        ユニファイド®サッカー パートナー

        小山 光

        Hikari Koyama


      • SOに関する問い合わせは
      • 公益社団法人 スペシャルオリンピックス日本・長野
      • 長野市鶴賀上千歳町1120-17 Alegria 8F
      • 026-225-1550
      • http://www.son-nagano.com/

まったく知らなかった
ユニファイド®サッカー

 中学時代の3年間、カズに憧れて夢中でサッカーボールを追いかけていました。でも、経験といえばこの3年間だけ。高校からは別に興味が移ってしまい、社会人になるまでサッカーは観戦して楽しむだけのものになっていました。
 そんな自分が、スペシャルオリンピックス(SO)のユニファイド®サッカーに出合ったのは、今から約3年前のことです。友人から、「今度サッカープログラムが立ち上がるんだけど、経験者なら一度練習に行ってみないか」と声を掛けられて、スペシャルオリンピックスのこともほとんど知らないまま、気軽な気持ちで練習に参加しました。
 スペシャルオリンピックス(SO)は、知的障がいのある人たちにさまざまなスポーツトレーニングと、その成果の発表の場である競技会を、年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織です。中でも自分が参加した、ユニファイド®サッカーは、知的障がいのある選手(アスリート)とない選手(パートナー)でチームを作り、練習や試合を行い、スポーツを通じてお互いに相手の個性を理解し合い支え合う関係を築いていこうという、スペシャルオリンピックス国際本部が近年力を入れている取組みの一つです。世界各国でプログラムや競技大会が実施されており、世界大会公式種目としても実施されています。
 単純に「サッカーを楽しもう」という気持ちで参加したからなのか、ひさしぶりに思い切り走ったせいなのか、練習が本当に楽しくて。皆でひとつのボールを追いかけることに夢中になっていきました。

スペシャルオリンピックスの
認知度を高めていきたい

 楽しみながらユニファイド®サッカーを始めて5ヵ月。2016年12月に大阪で、「スペシャルオリンピックス日本 第1回全国ユニファイド®サッカー大会」が開催されました。「自分たちがどこまでできるのか挑戦してみよう」と参加してみたら、なんと金メダルに(7人制・Div.2)。これは本当に嬉しかったですし、チーム全体のモチベーションも上がりましたね。そこから練習を重ね、昨年6月に開催された日本代表選手選考会を経て、今年の3月にUAEで開催された「スペシャルオリンピックス世界大会」に出場することが決まりました。
 世界大会への出場が決まってすぐに、会社と家族に報告しました。会社の上司に事情を説明し、「3月14日から21日まで会社を休ませてほしい」とお願いしたところ、「行きたいんだよね。だったら行っておいでよ」と言ってもらえて。業務が大変になることはわかっているのに温かく送りだしてくれたことに、本当に感謝しています。妻にも、まだ子どもが小さくて大変な中、「頑張ってきて」と応援してもらいました。
 SO世界大会は、オリンピックと同様4年に1度開催される大会で、今回も世界170カ国以上の国から7000名以上のアスリートが集結しました。自分が世界大会のピッチに立って海外のチームと試合をしている、ということが、あまりにも現実離れしていて不思議な感じがしましたね。人との縁、巡り合わせがあったからこそと、SOとの出会いに感謝しています。
 大会の結果は4位(7人制・Div.4)。メダルは取れませんでしたが、大会中にゴールを決められたのが誇りです。
 今回、SO世界大会に参加して感じたのは、世界と日本国内における、SOの認知度のギャップです。もっともっと多くの人にSOの存在を知ってもらいたい。少しでも関心を持ってもらいたい。そのために自分にできることは何なのか、これからも考えていきたいと思っています。

(2019年5月号掲載)