欧米型の食事や過度の飲酒など、生活習慣が影響しているといわれる「大腸がん」。40代から罹患率が高まり、高齢者になるほど増加しています。
がんになる方が最も多い大腸がんですが、臨床病期1期の治療後の5年相対生存率は97・6%(※1)と、早期発見すれば根治の可能性が高いがんです。だからこそ、毎年検診を受けて早期発見することがなにより重要です。
長野県の大腸がん検診を受けた方で、要精密検査の結果となって実際に医療機関で精密検査を受けられた方は約70%(※2)です。つまり、10人に3人は精密検査を受けていないことになります。これではがん検診の意味がありません。
早期発見、早期治療し、大腸がんで大切な命を落とさないために精密検査は必ず受診してください。
※1 全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2007年〜2009年診断症例
※2 地域保健・健康増進事業報告(厚生労働省調査)による統計(平成22年度〜平成27年度)
便潜血検査
便潜血検査による大腸がん検診を毎年受診すると、大腸がんの死亡率が60%減ることが報告されています。便潜血検査は副作用や事故がないので安全で、また検査前の食事制限や内服薬の制限が不要なので、受診者に負担のない非常に優れた検診方法です。とは言え、自ら大便を採取する検査ですから、大便と向き合うことに抵抗感を感じる方がいらっしゃるかもしれません。便は自分のからだの中からの重要な情報を伝えてくれる「お便り」ともいえます。大腸がんは早期段階では、ほとんど自覚症状はありません。自覚症状のない時にこそ「お便り」を教えてもらう気持ちで検査を受けてみてください。「下痢と便秘の繰り返し」や「血便」「腹痛」「体重減少」など気になる自覚症状がある場合はできるだけ早く医療機関を受診してください。
大腸がん検診のスケジュールは、お住まいの市町村の健診カレンダー等をご確認ください。