• 万が一のことを考えれば大切だとわかってはいるけれど、
    なんだか難しくて、自分がどんな保険に入っているのかすら
    あやふやな方も多いのが、「保険」という商品。
    まずは自分の「保険」と向き合うためにどうすればいいのか、
    コープデリ保険センターの馬場さんに伺いました。

まずは、今の自分を 知ることが大切です

 「保険」というのは、いざというときに自分と家族を守ってくれる大切なもの。だからこそ、多くの方が保険に入り、リスクに備えています。
 では「いざ」というときとは、どんなときでしょうか。また、その「いざ」に対して、どれだけの保障が必要なのでしょうか。
 今、世の中にはたくさんの「保険」があります。しかしその中で自分に合った保険を見つけ出すのは、とても難しいことです。それはなぜかといえば、人の考えや思いは日々、変わっていくからです。あのとき必要だと感じた保障が、今、必要だとは限りません。保険は一度入ったら、それですべてが保障される完全無欠なものではないのです。
 大切なのは、人生の節目ごとに今の自分の暮らしを見つめて、保障を考えるということなのです。

最初の節目は 社会人になったとき

 社会人になる、仕事を始める、ということは、「自立する」ということです。これまで親の庇護下にあった存在から、ひとりの大人として自分自身に責任を持つことになります。ということは、自分が怪我をしたり病気になったときも、親を頼るのではなく自分で何とかしなければならないわけです。そこで必要になるのが「保険」です。
  けれどこの時期に、言われるがままに保険に加入してしまうと、必要のない保障まで特約としてプラスされていたり、死亡保障が高額だったりと、現時点ではそれほどリスクがない部分にも保障が上乗せされている場合があるので注意が必要です。
 日本の医療費負担は3割。手術や入院といった高額な医療費の場合も、収入などから算出される「自己負担額」を超えた分は払い戻される制度があります(※1)。これらの社会保障も踏まえた上で、自分に必要な保障額と、支払う保険料のバランスを考えながら「保険」に加入しましょう。

結婚や出産で家族ができたらもう一度見直して

 結婚や出産で家族ができたら、もう自分一人の体ではありません。これまでは、極端に言えば自分だけを助けられればよかったのですが、ここからは自分とともに家族も助けられる保障が必要です。
 特に子どもが小さい場合、子どもが独立するまでの生活費や教育資金を残す必要があります。また、病気や怪我への備えも必要です。それなのにご夫婦ともに独身のときに入った保険を、そのままの状態で継続されていることがあります。
 このような「加入したときのままの保険」を見直す場合、もっとも重要なのが、今、必要な保障額を把握することです。家計簿までとはいかなくとも、ざっくりと月にかかる費用、年間でかかる費用を把握することで、自分たちが暮らすために必要な費用を試算し、その金額をベースに保障額を決めることができます。

子どもが自立、または定年までを基準に保障額を算出

 まず、ざっと1年間にかかる衣食住の生活費を出します。そこに定年まで、もしくは子どもが自立するまでの年数を掛けます。これから出産予定の場合は、その子の分も予測しておきます。さらに子どものおおよその学費分をプラスします。ちなみに幼稚園から高校まですべて公立学校の場合で約523万円(※2)。
もし、国公立大学に進学したら約485万円(※3)。つまり大学まですべて公立であった場合でも、約1千万円かかるといわれています(すべて自宅通学の場合)。
 これらを合計すると、子どもが自立するまで、もしくは定年までに必要となる総支出が算出できます。そこから、遺族年金などの社会保障や貯蓄分、家族の収入など、予測できる総収入分を差し引いて足りない分が、いざというときの「保障額」なのです。

更新時期や家の購入時も見直しのタイミング

 この保障額は、子どもの成長に応じて金額を減らすことができます。子どもが小さいときに3千万円必要だと算出されたとしても、それがずっと続くわけではありません。更新型の保険に加入している方は、更新に合わせて保障額を見直しましょう。
 また、家を建てるときも見直しのチャンスです。住宅ローンを組む際は、通常世帯主が亡くなった場合にローン残額を保障する「団体信用生命保険」に加入します。この保険に入ることで住宅ローンについてはカバーされることになりますので、保障額を算出する際に住宅分を差し引いて「保障額」を見直すことができます。

老後のライフプランも早めに検討しておきましょう

 子どもが独立したあとの夫婦のための「保険」も重要です。
 更新型の保険の中には、80歳で保障が切れるものがあります。70歳以上の高齢者は、医療費が1割負担になるなど社会保障が充実していますので、ある程度の貯蓄があれば必要ないかもしれませんが、心配だという方は、定年や更新のタイミングでもう一度保障内容の見直しをおすすめします。
 「保険」は自分の人生が変化することによって「変わる」ものだという意識を持つことが大切です。保険選びに迷ったときは、私たちにご相談ください。
 

※1 高額医療費制度/事前に「認定証」を申請することによって、自己負担額以上は窓口で支払わなくてもよくなる制度もあります。
※2 参考資料/文部科学省「子どもの学習費調査(平成26年度)」
※3 参考資料/日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(平成28年度)

(2017年11月号掲載)

㈱コープデリ保険センター ながの支店

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