• 地域の暮らしを守ること。
    そのために自分たちは何ができるのか。
    20周年という節目の年に
    未来を見据え、考えていきます。

      • しなの鉄道株式会社

        代表取締役社長玉木 淳

        Atsushi Tamaki

      • しなの鉄道株式会社
      • 上田市常田1-3-39
      • 0268-21-4700
      • http://www.shinanorailway.co.jp/

県外出身だからこそ
長野の良いところが見えてくる。

 生まれ育ったのは、新潟県新潟市。千曲川の河口近くに住んでいましたので、毎週末釣りに出かけていました。長野へは大学の頃にスキーで志賀高原や白馬に来ていましたね。スキー全盛期の良い思い出です。
 昨年ご縁をいただき、しなの鉄道の社長に就任しました。社長になることが決まった後、内緒で「ろくもん」に乗ってみたんです。そうしたら、信州にこだわった食材や乗務員のもてなしがとても素晴らしくて。車窓から眺める山々や田園風景に癒されながら、鉄道の持つ可能性を感じることができました。
 それからはまず沿線のことを知ろうと、週末はさまざまな場所を訪れました。そうして気づいたのは、長野にある〟良いもの”が、首都圏では意外と知られていない、もしくはなかなか手に入らないということ。例えば「ナガノパープル」や「黒姫のブルーベリーやとうもろこし」、そして「ワイン」。私はこれらと出会ったとき「これを知らずに人生を終えなくてよかった」と本当に感動しました。それくらい美味しかったのです。つまり、全国に誇れるモノがあるのに、「感動が伝わっていない」ということです。しなの鉄道では、この〟感動”をキーワードに、「ろくもん」の企画や軽井沢駅の魅力を高め、軽井沢を訪れる首都圏の方に向けて感動に値する沿線の魅力を発信していきたいと考えています。

開業20周年を契機に、
もういちど地域と繋がっていきたい。

 しなの鉄道は平成9年10月1日に開業し、今年で20周年を迎えます。これまでしなの鉄道を支えてくださった地域の方に心から感謝するとともに、次の20年に向けて、もういちど沿線地域の皆さまと深く繋がり、しなの鉄道をご活用いただくことで、地域全体が活性化されるような展開を考えていきたいと思っています。
 その手始めとして、今年度は1年間をかけて20周年記念のイベントを開催しています。4月からスタートさせた「懐かしの車体カラー」は、初代長野色、湘南色、横須賀色の3つ。「学生時代に乗った電車が戻ってきたみたい」と、皆さまから当時を懐かしむ声をいただいています。
 また「自分発 未来行」をコンセプトに、地域の高校生たちによる「地域公共交通とわがまちの未来」プレゼンテーション大会、「乗りたくなる地域鉄道」PR動画コンテストも開催します。高校生たちの柔軟な発想は、しなの鉄道の未来への、新たな指針になるかもしれません。
 さらに開業記念日である10月1日(日)には、小諸駅西側の小諸旧保線管理室前のスペースで、「20周年お客さま感謝イベント」を催します。ふだんはあまり目にすることのない保守用車を間近で見られたり、実際に「レールスター」に乗車できたりと、盛りだくさんな一日。縁日屋台も出ますので、ぜひ電車に乗って遊びにきてください。
 そして20周年記念の目玉として、軽井沢駅構内に「森の小リスキッズステーションin軽井沢」をオープンします。第一弾として10月27日(金)に、これまで記念館として使われていたとても素敵な(旧)軽井沢駅舎を、しなの鉄道の軽井沢駅舎として復活させます。来春には小さなお子さんが家族と共に楽しめるウッドデッキの広場もオープン予定。電車だけでなく車で訪れた方も、ぜひ遊びにきてください。
 

(2017年10月号掲載)